定年制を考える

日本の大企業や中小企業では、昔から定年制が強く根付いており、男社会においていったん会社に就職すると、定年まで同じ会社で働くといったことが一般的でした。職業も同様に、教師なども移動などがありますが、一生を同じ職業につき、多くの手に職を持つ職人達も一生を同じ職業に捧げてきました。古くから日本では、農民は一生を田を耕し、武士は戦で武功をあげ、貴族は祭りごとを主に行ってきました。

こうした文化は、定年という形で日本に長く残され、慣れ親しまれてきましたが、現在ではその定年制も一生を同じ会社に捧げることは少なくなり、またいくつもの職種を経験するといった方々も少なくありません。定年は、会社の規定によってまちまちですが、一般的に60歳以上とされています。しかし現代、日本は超高齢化社会を迎えるほど、国民の寿命は長くなり、それに伴って働き方も変わってきました。

定年後の多くの男性は

現代社会において定年は、長年慣れ親しんできた職業に区切りをつけ、会社を辞するといった意味では、仕事に生きがいを持ってきた人々にとって、心に空洞ができたの様なイメージを持つ方も少なくありません。最近は、労働者不足ということもあり、いったん定年した人材が、準社員として再び勤務するといったことも多くなってきましたが、実際にはごくわずかに過ぎず、退社後に老いが進んでいくといった現象もよくみられます。

これは、多くの男性にとって仕事は生き甲斐であり、生きる糧でもありました。定年後には、朝早くから起きることもなく、ましてや何もすることのない人生は、まことにもって寂しい限りです。現在、日本人の寿命は男女ともに80歳を超え、まだまだ人生を楽しむことができることから、セカンドライフを見据えた人生の構築も必要となってきたのです。

老後に楽しみを見出すには

若いうちから働きづめで、趣味をほとんど持たない男性はふけやすく、心の病にもかかりやすいと言われています。また、新陳代謝が低下し、働かないことで体力が衰えていき、精神的にも気力が続かないため、病気にも弱くなってきます。こうしたことから、趣味を持つことはセカンドライフを充実させるためにも大切なことで、定年後からでも始められる様々な趣味を、自ら学んでみてはいかがでしょうか。

もちろん、こうした趣味の育成は、若い頃から始めるに越したことはありませんが、一つの趣味に固執するよりも、いくつかの趣味を持つことで、様々な選択を楽しめることになります。最近は、年齢を問わない趣味のサークルなども増え、男性には中々難しかった料理に挑戦する方も増えてきました。確かに、料理は人には欠かせないもので、老化に伴い一人暮らしになることも少なくないため、非常に心強いスキルとなってきます。