太極拳とは

書籍や映画でもおなじみの中国武術は、カンフーや少林寺拳法といった人知を超える動きが、とても格好がよく力強くそして小気味好いものです。こうした中国拳法は、さまざまな流派に分かれており、動き一つをとってみてもすべて同じ動作はありません。太極拳とは、こうした中国武術の一つで、その起源もとても古く、東洋哲学の太極思想という概念を取り入れた拳法なのです。

太極拳は、同じ内家拳の流派である形意拳・八卦掌と並んだ代表的な武術で、様々な門派も存在していますが、古くからその健康効果も知られていました。しかし、もともとが一般人には習得の難しい拳法であり、万人向けと言えるものではありませんでしたが、国家により太極拳を扱いやすくする為に、新たな太極拳を作り出すことになったのです。現在の太極拳と呼ばれるものは、こうした新太極拳とも言えるもので、健康増進のために行われています。

太極拳を行うには

日本では、中国拳法などをもとに、独自の空手と呼ばれる武術が発達してきました。太極拳が他の武術と大きく異なるのは、太極拳が型を中心としたものであると言うことでしょう。もちろん、ほかの武術にも型は存在していますが、その型の動きには緩急があり、空手に関して言えば息吹きや呼吸法、スピードと力強さが重要なポイントとなってきます。これは、太極拳が本来の太極拳ではなく、新たに健康増進用のために作り出されたという側面を持っているからです。

太極拳は、現代でいういわゆるフィットネスと呼ばれるものに近く、体力づくりや健康増進の一環として行われています。太極拳の良いところは、特に道具や器具を必要としないというところにあります。とはいえ、動きやすい服装で太極拳を行うのは当然で、動きがゆったりしているとはいえ、思ったよりもカロリー消費が多いため、水分補給などには気をつけなければなりません。

楽しみながら鍛えていこう

太極拳の型は、いくつもの型に分かれており、それぞれの型が呼吸法や姿勢を非常に大切にしています。太極拳の楽しみは、こうした型を覚えていき、自分の一部にしていくことで、モチベーションも次第に上がっていきます。太極拳を覚えるためには、太極拳を行える環境も非常に重要で、太極拳経験者に習っていくのが最も手っ取り早い方法と言えるでしょう。

太極拳行う上で、服装などの制限はありませんが、関節や筋肉などをあまり圧迫しない、ゆとりのあるものがベストとなるでしょう。足元も、できれば素足で行うのが一番ですが、靴底の薄い柔らかな靴であれば特に問題はありません。また、持病などをお持ちの方は、かかりつけの医師との相談のもと、太極拳を開始しましょう。初心者は、比較的覚えやすい24式太極拳から、始めるとよいとされています。